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耳から出血

突然、耳から出血した方へ

耳の構造は繊細で、皮膚も柔らかくて薄いので、傷つきやすくなっています。耳から出血があった場合は、耳介、外耳、中耳、内耳のどこかに異常がある可能性が高いので、どこからの出血なのかをよく調べ、適切な処置と治療を行う必要があります。

耳かきのしすぎで耳から血が出ることも!?

耳かきのしすぎで耳から血が出ることも!?耳からの出血で一番多いのは、耳かきによるトラブルです。耳垢は耳の自浄作用によって自然と外へ排出されるため、耳掃除は1ヶ月に1回程度で良いと言われています。また、耳の皮膚は大変薄く、骨の上を覆っているだけですので、耳掃除をする際には、硬い耳かきではなく、細めの綿棒で撫でるように耳垢を除去する程度が望ましいでしょう。お子さまの場合は、お子さまが動いて傷つけてしまったり、奥に押し込んでしまったりする危険性もありますので、耳鼻咽喉科で耳掃除をされることをおすすめします。

耳のどこから(部位)
出血しているか
確認してみましょう

耳介

耳介の場合は外傷による出血が多くなります。耳たぶの後ろ側や、耳の側にあるこめかみには動脈が通っているので、ちょっとしたケガでも大出血する可能性があります。
傷を放置すると、細菌などに感染して耳介軟骨膜炎などをおこし、耳たぶが変形してしまうこともあります。

外耳道

外耳道からの出血は、ほとんどのケースが耳かきによるものです。また、外耳道が何らかの原因で炎症をおこして出血する外耳道炎があり、この場合は鮮やかな赤色の出血が特徴です。
さらに、鼓膜からの出血がありますが、出血は微量であることが多く、痛みのほうが強い傾向にあります。原因は耳かきが一番多く、稀に水疱性鼓膜炎の水疱が破れたことによる出血もあります。外傷性の出血は、球技などでボールが当たったことによるものや、平手うちによるものがあります。

中耳

中耳は、外部とは鼓膜で遮られているので、外傷によって出血するケースはほとんどありません。
中耳からの出血の多くは、急性中耳炎の悪化によるもので、炎症による膿が鼓膜を破って耳垂れとなって出てくる際に血液が混入したものです。また、真珠腫性中耳炎でも、鼓膜を破って出てきた耳垂れに血液が混じることがあり、臭いが強いことが特徴です。

内耳

内耳からの出血は、交通事故などで側頭部を骨折した際など、特殊なケースでしか起こりません。
内耳の疾患による出血もありますが、通常外部へ流れ出ることはなく、耳鼻咽喉科で検査を受けた時に内出血が見つかることがほとんどです。

耳の皮膚がん

ごく希に、耳の内部に皮膚がんができる場合があります。炎症性の腫瘍ががん化したものが多く、ほとんどの場合は中耳にできます。進行すると痛みとともに出血があります。耳鳴りやめまい、難聴などの症状がでて、さらに進行すると平衡器官や神経などに症状が及び、吐き気や嘔吐、顔面神経麻痺などを起こすこともあります。
耳の皮膚がんは、中耳炎を併発して、その治療で見つかるケースが多くあります。

耳から血がでる場合に
考えられる疾患と治療法

中耳炎

急性中耳炎、滲出性中耳炎、真珠腫性中耳炎などは、耳から出血する場合があります。また、必ずしも痛みを伴うとは限りません。

治療法

中耳炎の種類によって、保存療法の他、鼓膜切開術、鼓膜チューブ挿入術、鼓膜穿孔閉鎖術、鼓膜形成術、鼓室形成術などの手術を検討します。いずれの手術も、局所麻酔による日帰り手術になります。

外傷性の鼓膜穿孔

耳かきで突いてしまった時や、平手打ちなどによって、鼓膜に穴が開いて出血することがあります。放置しておくと、中耳に細菌・ウイルスが侵入しやすくなり、中耳炎の原因となります。

治療法

鼓膜は自然に再生することが通常ですが、再生せずに症状が続いている場合には、鼓膜穿孔閉鎖術を行います。

外耳道湿疹

耳かき、シャンプー、化粧品などの刺激が主な原因で起こる湿疹です。耳からの少量の出血の他、耳垂れ、かゆみ、灼熱感などを伴います。

治療法

外耳道をきれいにした上で、軟膏の塗布、点耳薬の使用により治療します。

外耳(道)炎

耳かきや、お風呂・プールで外耳道に水が侵入したことによって起こる炎症です。耳からの少量の出血のほか、耳の痛み、かゆみ、耳垂れなどの症状を伴います。

治療法

軽症の場合は、耳洗浄、点耳薬で治すことができます。進行している場合には、抗生剤の投与が必要になることもあります。